『フリーライダー』 日本人が個人主義の真似をすると

『フリーライダー あなたの隣のただのり社員』を読んだ。

この本ではフリーライダーを二つの軸で四象限に分類している。
第一の軸は、「フリーライドの仕方」。一つの極が「サボり系」、反対の極が「略奪系」。「サボり」は言わずもがなだけど、「略奪系」というのは「仕事はするが、自分がもらうべき以上の分け前を取ろうとする」ということ。
第二の軸は、「フリーライダーの存在によって職場がどのような負担を被るか」。これは、「実務レベルで労働負荷を与える」か、「精神的なダメージをも与える」か。

四象限は、「アガリ型(サボり系×実務負担系)」「成果・アイディア泥棒型(略奪系×実務負担系)」「暗黒フォース型(サボり系×精神的負担系)」「クラッシャー型(略奪系×精神的負担系)」。

この分類は、分かりやすい。けど、実際にはどこにも当てはまらない、でも、何となくみんなに敬遠されている社員はいるだろうな、と感じた。また、一つ一つのケースは本当に千差万別だろうな、とも。

「フリーライダー」の特徴を一言で現すなら、やはり「利己的」ということだと思う。どんな人でもフリーライダーになる可能性は必ずあるという言葉にはリアリティがある。朱に交われば何とやら。

「利己的」という言葉でまたも思い出すのは河合隼雄先生。

日本人が個人主義の真似をすると、すごい利己主義になる人がいるわけです。(『心理療法対話』p.100)

アメリカ、スイスに留学し、英語で講演して、西洋と東洋の心のあり方を両方見てきた人なので、日本人にとって「個」という概念がどれほど難しいか、分かっていたのだろう。

昔の心理療法の目標は、イーゴ・ストレングス(自我の強さ)ですが、これは日本人の言う「我」の強さとはまったく違って、その人の思考力、判断力、観察力、そういうのを完璧に強くすることなのです。(同p.111)

「我」が強くなることが「自我の強さ」ではない、という言葉は考えさせられる。

本当に成果を出そうと思っている人は、不用意に周囲の人を嫌な気持ちにさせたりはしない。それは、自分のためにも得策ではない、と、そういう判断力や観察力を持たず、自分の利益にだけ固執する人が、「個人主義の真似をしている人」なんだと(自戒も込めて)思ったりした。

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