三輪山登拝記その2(奥津磐座)



三輪山登拝記(大神神社、狭井神社)の続きです。
撮影禁止なので、引き続き文章で描写します。

標高364.5mに「中津磐座」があります。頂上まであと100メートルくらい。
登拝口のある狭井神社の標高が80mだったので、だいぶ登ってきましたが。
個人的には、ここでやっと行程の半分くらいの感じがしました。この後が~キツくて~

木々の間に磐座と、その脇に見事な杉の巨木があります。
……よく見る余裕もなく通り過ぎました。ゼイゼイ。

動物は見かけませんでしたが、大きなハチ? アブ? はぶんぶん飛び回っていました。
スピリチュアルな観点では、こういう昆虫はあなたの振動数を調べに来ているっていいますけど。
何もしないでいれば、そのうちどこか行ってしまいます。

「はて……この山道は一体いつ終わるのか」
「夏に山なんか登るもんじゃないんだよ」
などと思い始めて、どのくらい経ったのか。
突然、周囲の木々が開け、「高宮(こうのみや)神社」のお社が現れました。
安堵感で、もう少しでこの場所で引き返してしまうところでしたw
この奥に、さらに神聖な「奥津磐座」があります。

まずは、高宮神社に参拝。
「ここまで登らせてくださって、ありがとうございます」
いや、もう、蒸し風呂の中、泥んこ道を登らなくてすむと思うと、切実に嬉しかったり。

「奥津磐座」は、途中の「中津磐座」とくらべ、大きな岩がごつごつと地面から突き出していて、より「磐座!」という感じがしました。全体をしめ縄で囲ってあり、中に入れないようになっています。

人影もなく、……

と、思ったら、磐座の右手の奥から小鳥がさえずるような歌声が聞こえてきました。
祝詞のようです。
節をつけて詠み上げていらっしゃるようです。

とりあえず邪魔しないように、磐座の左手のほうから回ってみました。
途中で先に進めなくなっていました。

ここで、私は持ってきた水晶を出しながら、お参りしました。
大物主神の神体山、これだけ強力なパワースポットに来たということで、大きくてポジティブな想いを抱くのがいいだろうと思い、日本全体のことをお祈りします。

いま、何となく漂っている閉塞感やあきらめの気分を打ち破り。
歴史の新しい段階に適応するように、必要な変化を受け入れ。
より活気のある、自由闊達な未来に、向かっていきますように(-人-)

目を開けたとき、ちょうど日が射して、蒸発した水蒸気で、周囲が白くかすんで見えました。

何となく、息をのむ光景。
三日経った今も思い返しています。

明るい光の中で白く煙る磐座を眺めて、ぼんやりしていると、いつの間にか祝詞が止んだようなので、磐座の右手に回ってみることにします。
途中で、白装束の女性とすれ違いました。

磐座の裏手は、木々が茂っているのでうす暗く、凄みのある感じ。

三輪山は「古事記」に記されるずっと前から、聖なる場所だったと思います。
縄文時代のシャーマンが、トランス状態になって、神を降ろしていたんじゃないでしょうか。
全国の磐座や巨木の前で、同じような儀式が行われていたのでしょう。古代の祭祀のなごりです。

ひととおり見終わったので、最後に一礼して、帰ることにします。
この間、奥津磐座で会ったのは、先ほどの白装束の女性だけでした。
ちょうど帰りかけると、次の登拝の方が登ってきました。

下山は、左足首をねんざしたばかりなので、ちょっと神経質。
左足をかばって歩いたせいか、途中で右足の膝がかなり痛くなってきました……うぅ。
でも、登りのあのキツさにくらべたら天国だよ! 無事、お参りもできたし! イェーイ!
と、足取りは慎重ながらも、内心かなりハイ。

下山のとき、初めて気づいたことがあります。
この山は標高によって、かなり「空気(雰囲気)」が変わります。
自分の感覚を信頼すると、やはり奥津磐座の前にいたときの言葉にできない「感じ」は、中津磐座まで下りてきたときには、なくなっていました。
まあ、頂上では、単に疲労困憊してぼうっとしていたのかもしれませんが(笑)
さらに下るにつれ、また、どんどん、いわゆる普通になっていきます。それでも、鳥居をくぐって駅前の道に出ると「ああ、やっぱり境内の空気は別だった」とも感じますけど。

まあ、下山するにつれ「俗界に帰ってきた」と感じるのは、どの山でも同じでしょうか。

狭井神社で白いたすきを返却、ちょうど12時でした。
JR三輪駅に9時ちょいに着いたので、三時間いたことになります。
山だけだと、二時間くらいでしょうか。標準ですね。

雨が止んだので、登拝の方も増えていました。
大神神社を通るとき、「三ツ鳥居」のことを思い出したのですが、右ひざが痛くて、「今回は山本体に登拝したわけだし、また今度でいいじゃないか……」と、むりやり自分を納得させて、素通りしました(^^;


二の鳥居の斜め前にあるお店で、三輪そうめんと柿の葉寿司のごはん。
あれだけ運動したのに、物足りない気もするが!
(この後JR奈良駅でくずもちを食べました)

ちなみに、そうめんや和食のお店は、久延彦(くえひこ)神社に行く道にもあります。一の鳥居の近辺にも。

久延彦(くえひこ)さんというのは、カカシの神です。
田の神であり、何でも知っている知恵の神。
なぜかというと、少彦名命がやって来たとき、誰も名前を知らずにいると、ヒキガエルが「久延毘古なら知っているはずだ」と言ったんですね~。少彦名命に関わる話なので親しみを感じます。


これで、三輪山登拝の話はおしまい。

この後、久延彦神社に行き、さらに、箸墓古墳まで歩いていきました。そのときの話はこちら。

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